短期賃貸借保護制度の廃止について(2)
短期賃貸借保護制度の廃止について
不動産競売によって、所有権が移転してしまった場合、そこに住んでいる人たちがどうなってしまうかと言うことがとても重要になります。
平成16年4月1日以前であれば、前節で説明した契約期間が終了するまで、買受人に対抗して入居することができました。
しかし、平成16年4月1日以降に抵当権が設定されている物件を契約した場合、短期賃貸借保護制度が廃止になったために、そのようなことができなくなります。
この内容は、賃貸契約時に交付される重要事項説明書に記載されています。
私の運営しております、賃貸アパマン研究室のサイトでは、賃貸借契約書講座を行っておりますが、そのモデル契約書の重要事項説明書を参照して下さい。
(モデル契約書は下記ページの国土交通省モデル契約書をクリックして下さい)
■国土交通省モデル契約書とは?
国土交通省のモデル契約書の重要事項説明書には短期賃借保護制度廃止についての記載があります。
40ページの、
【Ⅰ 対象となる建物に直接関係する事項 】の【1 登記簿に記載された事項 】
を見て下さい。
本物件にはすでに抵当権が設定登記されていますので、借主は、その抵当権が実行され競売により買受人から明渡しを求められたときには、6か月までの間に明け渡さなくてはならないことになります。
なお、この場合には、貸主に預けた敷金についての精算も買受人には求めることができません。
この部分を分かりやすく説明致します。
本物件にはすでに抵当権が設定登記されているとは、
「これからあなたの住む物件には、大家さんが建物を建設する際、銀行からお金を借りています。銀行は万一のときのために、その物件を担保にお金を貸しています。」
と言うことになります。
抵当権が実行されるというのは、
「大家さんがお金を返済できなくなってしまい、担保として提供している物件を不動産競売(オークション)にかけること」
を意味します。
買受人とは、一番高い値段で入札して落札した人(新しい大家さん)です。
その買受人が、
「建物を使うので部屋を明け渡して下さい」
と言ってきたら、6か月以内に引越ししなければなりません。
これは、法的な拘束力を持ちますので、それを無視して6か月以上住み続けることは出来ません。
無視して住み続けた場合は、強制的に退去させられます。
この場合、契約時に預けた敷金は返還してもらえません。
この法律では、
【契約時に預け入れた敷金は、新所有者には引き継がれない】
とされています。
契約時に預けた敷金は、以前の大家さんが持っていることになります。
そして、競売によって所有者が変更されても、その敷金は引き継がれません。つまり、新しい大家さんは、敷金を預かっていない状態になります。
もし、敷金を返還してもらう場合は、預けた敷金を持っている、以前の大家さんに請求することになるのですが、大家さんは破産してしまって、今のような状況になっていますから、戻ってくる可能性は低いです。
このように、大家さんが破産して、不動産競売によって、新しい大家さんに所有権が移転された場合、重要なことが2つあります。
1.新しい大家さんが入居者に対して、『部屋を明け渡してください』と言われると、入居者は6か月以内に建物を明渡さなければならない
2.解約時に敷金が返還されない
ここで、ひとつ付け加えておきたいのですが、不動産競売によって、所有者が変更されたら、必ず部屋を明渡さなければならないと言うわけではありません。
引き続き住んでも良いと言われる場合もあります。
これは、買受人(新所有者)がその建物をどうしたいかによって変わってきますので、明渡さなければならない場合もあるし、引き続き住んでもよい場合もあります。
先程お話したとおり、敷金は買受人に引き継がれていませんので、場合によっては、新たに敷金を預け入れて下さいと言われる場合もあります。
上記に記載した内容を、電子書籍(PDFファイル)で【無料公開】しております。
このファイルをダウンロードして頂くと、記載内容を印刷し、保存することができます。
是非、ご活用頂ければと思います。
短期賃貸借保護制度の廃止について【無料】
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